ブランキー・ジェット・シティ

いまさらなんだなあ、そして別に俺が語る必要も無い。
しかししょうがなく、いまさら誰にも語れないブランキー愛を語りたくなる。
中学のとき友人だったやつ…板橋っていう、そいつのことはあとで嫌いになったけど、
ブランキーを教えてくれたのだけは感謝している。


かずたかはロメオがすきって言ってた。
あと大学で仲良くなったマッチョな東海林も好きって言ってたし、
吉川くんも僕のブランキー好きに賛同してくれた。
杉山さんはブランキー元メンバーのバンド含め全部すきって言ってた。


板橋はスパゲッティーヘアーとかバングが好きだった。言わば尖ってた。
東海林はドンとキスマイテイルすきでおしゃれな奴だと思った。
吉川君はガソリンの揺れ方の歌詞について喋るときじーっと遠くを見てた。
当時僕は子供で自分の命揺らしてるだけとかよくわかんなかったけど、今はけっこう分かる。


物事にそんなにはまらないほうなので、ブランキーのアルバムを全部持ってるわけでもない。
でも中学のときから15年かけて、しだいに好きになって今ならすげー好きだぜって自信有る。
好きな曲何曲か紹介しよう。


①悪いひとたち


バラード曲はブランキーの真骨頂であるって感じではないんだけど、僕はこの曲が一番好きなのだ。
曲というより詩が、なんというかぶっちぎっている。
世に社会はソングは多かれ、意表をついた構造と、
浅井健一のまじめで優しい精神がストレートにあらわれているのだ。
詩の頭から思うところを書いていきたい。


・悪いひとたちがやってきてみんなを殺した(割愛)悪い人たちの子孫は増え続けて(割愛)山は削られ川は死にビルが立ち並び

浅井健一の歌詞は全体的にアメリカめいたアトモスフィアを持っているので、このくだりも白人とインディアンとの侵略戦争だ!って思いそうだけど、
本人たちはインタビューで「こういうことはどこにでもあったはず」といっている。
つまり学校で学ぶ人類史は戦争と侵略の歴史、そのへんを生々しく表現してるんじゃないかな。アレキサンダーカエサル、チンギスハン、コルテス、ヒットラー、今日の紛争の首班やテロリストたちも同じことをしているかもしれない。


「世界地図は血の跡」なのだ。
拡大解釈するとこれは現代人を含む人間一般の抱えるカルマでありさがのようにも思える。アウストラロピテクスだって近縁種を滅ぼしたかもしれないし僕らの祖先に滅ぼされたかもしれない。
なんで敢えてこんな拡大解釈するのかって、それはあとで。


・すさんだ心を持ったハニーヨーロッパ調の家具をねだる、セックスに明け暮れて麻薬もやりたい放題(割愛)そんなに長生きなんかしたくないんだってさ、それを聞いたインタビュアーがカッコいいって言いやがった


放蕩をつくす現代人の描写。流れからして悪いひとたちの子孫なんだろう。
だとしたら長生きしたくないだとか、弱い人たちをぶっ殺して繁栄した人間たちが言うなんてとんでもない。
つまりこの放蕩人間は自分の肩に乗っかった先祖の業を知らないのか、無視している。
一方セックスドラッグバイオレンスな不良少年やロックンローラーのイメージも重なる。
ブランキーは(元)不良少年っていう立場でよく歌を書くし、ロックンローラーなのでひょっとして自分ら自身も重ねているのかもね。
そのへんを踏まえて、次。


・お願いだ僕の両手にその鋼鉄の手錠をかけてくれよ(割愛)さもなきゃお前の大事な一人娘をさらっちまうぜ


この「僕」は犯罪質だし、流れ的に先の放蕩人間と同じ主体かと。
そうすると最初からここまでのつながりが分かる。つまり、
「僕」は悪いひとたちの子孫で、放蕩をつくす現代人で、自分らの業なんか顧みないとんでもない奴だから手錠をかけて罰してくれよ、
とそういってるのかな。