無題
空が重い。
身の回りや自分の内面のいくつかの感情や事象をパズルのように組み立てると悪魔の肖像画に見えて来る。
そいつはだらりと口を開けて待ちかまえているのだ。ゲッゲッゲッ。
たまに友達と飲みに行ったりブラックジャックの文庫版を集めてみてもそいつは不敵な笑みを崩さない。
そんなパズルのピースのひとつが高校時代の設計演習もどきだったりするんだけど。
どうやら他人を見ず、未来を見ないことで安心して生きて来たらしい。
ずっとやわらかな霧で身をくるんできた。
でもその外側では悪しき事象が発生している。霧の届かない自身の体内では癌細胞があちこち転移し始めている。
取り返しがつかなくはない。
でも麻痺している。
だから何よ。
自分が嫌いだ。
だから何。
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「音楽は2番目に好きだ」
好きな言葉だった。
「人生とは薪みたいなもんじゃ。」
「しかし竜さん、人生は薪と違って一本しか無いぞ。」
「一本しか無いからこそどんどん投げ込むんじゃ。」
いい言葉は癒しになる。
でもそれは逃げだ。