釧路

今回は単なるメモであり駄文です。
予備知識も何もなしに、煙草吸いながらなんとなく思った事を書きます。
おもしろくないです。ごめんなさい。


和辻哲郎の風土をずいぶん前に読んだ事があるが、
ある土地の気候風土がそこの文化とか住民の精神風土に影響を与えるという話だったと思う。


昨日RovoのライブDVDを買った。
抽象的で非現世的で、本人たち言うところの「宇宙っぽい」音楽はもうどうしようもなくかっこよかった。
Rovoの音楽にあくまで忠実なVJ迫田悠のヴィジュアルエフェクトもすごい。
ぶっ飛んでる。
・・・というのはただの感想。
それで見たあとリーダーのバイオリニスト勝井佑二についてなんとなく調べてみた。
知らなかったんだけど、どうやら北海道の釧路出身らしい。


釧路出身のアーティストと言えば、俺の知るところだと
板垣恵介(漫画家。グラップラーバキ)
・毛綱キコウ(建築家)
・モンキーパンチ(漫画家。釧路じゃないけど気候的に近い道東圏)



などなど。みんな大好きな作家なんだけど、やっぱ通じる物がある気がした。


毛綱建築の抽象的で宇宙っぽいw感じはrovoの音楽と似てるし、
ルパン3世の原作の背景画のような荒涼とした風景はバキのドライな世界観と似てる。(ちょっと無理があるか…)
あとrovoの音楽は前衛的ではあるけどすごく単純な快楽(高揚感、疾走感、ふわふわ感)
を追求してて、これもバキのストレートな肉体的快楽の表現と通じてる感じがする。

無理と無知を承知で簡単に括ると、「非現世的」「身体的」なところが共通するだろうか。
「非現世的」…(ここでの現世は「この世」的な意味)現実のこの世をすっ飛ばして描く、あるいは単なる背景・物質として無機質に描く。
「身体的」…(ここでは)純粋に肉体で感得できる快楽への執着。


言葉の使い方間など違ってたら指摘して欲しいが、自分が得た印象としてはこう。


そこで釧路という土地を振り返ってみる。
・海で発生する海霧に覆われて夏でも寒い。
・岩場と湿地帯の上にできたまちなので植生に乏しい。
・ゆえに農業が育たず、基幹産業は漁業と産炭業(今は両者とも衰退)。


「1000年前の図面をそのまま起こした」と言われたら一瞬信じちゃいそうになる毛綱建築。手前は世界一汚かった事で有名な春採湖。

ずたぼろな大地と無秩序に平がるまち。



先の2つの単語と結びつけるなら、
・恵みの乏しい土地→資源は海と地中という「異界」に求める→非現世的
・漁業と産炭業が基幹→安定した収入は無い(産炭業も必ず限界がある)→その時その時の快楽を求める→瞬発的な快楽を求める→身体的(?)


一見矛盾するようだけどそうでもない。
つまりこの世界に対するすごく冷めた目線が通じる。


実際釧路のまちを一回りしてみると、計画性は一切感じられない。
だらだらとスプロールしていてまるでメリハリのないまち。
言い過ぎかもだけど、そのときそのときの事情でつくられて来たまち。
炭鉱地帯は地面がずたずたになっており荒涼とした雰囲気を一層際立たせている。


でもそんなまちが生んだアーティストたちの作品はハードボイルドでドライでファンタスティックな魅力を持っていて、現実に疲れたり嫌になった時に一時の癒しを与えてくれる。



なんかおもしろいなと思った、そんなはなし。

ROVO LIVE at 日比谷野音 2008.05.05 ~MDT FESTIVAL~ [DVD]

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ジャケットかっこよすぎ。